モンスタープロレス

解説

「プロレスRPG」と言っていいのかどうか…。

レビュー

 久しぶりにPCエンジンものを。天下を獲る事はできなかったPCエンジンだが、実は良作が多い。アクションゲームが多くて、今でもかなり“遊べる”ハードなのだ。だが、その一方でマイナーハードならではのとんでもないソフトも多い。今回のモンスタープロレスはもちろん後者である。

 まず設定がすごい。「魔王ベルゼバブが世界を支配し、人間は光の届かない地下に追いやられてしまった。人間は地上に戻りたいと魔王にかけあう。すると魔王は「自分の配下の悪魔をプロレスで倒せたら、地上に戻らせてやろう」と言う。こうして人間と悪魔の戦いが始まった。人間は魔法と科学で自分をモンスターに作り変え、悪魔に挑む! しかし、ほとんどの者が悪魔に倒されてしまうのだった。そんな中、モンスター化を研究している博士が、自分の息子タケルをモンスターにし、悪魔に挑ませる。タケルは人間の唯一の希望であった」とこんな感じ。細部が違うかもしれないが、まあ大筋はこうである。悪魔とプロレス、自分の息子をモンスター化、もうこれだけですごいソフトであることがわかっていただけると思う。

 「プロレス」というぐらいだから、当然、アクションだと誰もが思うだろう。だが、そこはモンスタープロレス。なんとRPG(?)なのだ。試合が始まったら、プレイヤーと敵はお互いにサイコロを振り(正しくはボタンで数字を止める)、大きい数を出した方が技を繰り出せる。技には「与えるダメージは大きいがかけにくいもの」や「かけやすいが与えるダメージは小さいもの」とかいろいろあって、どんな技を出すかもポイントだ。タケルの能力パラメーターがよければ難しい技もかけやすいし、逆に低いと簡単に技すらかかりにくい。そのへんをうまく考えながら技を出しあい、相手のHPを0にすれば勝ちとなる。う〜ん、プロレスなのコレ? いやそれ以前にまるで子供だましの戦闘システムだ。

 こうして敵を倒し、タケルを成長させてより強い敵と戦っていく。ちょっとバカにした書き方をしたが、まあまあ遊べるゲームだ。ただ、出てくるキャラクターがどいつもこいつも筋肉ムキムキで肌の色が青とか紫のモンスターばかりなのがなぁ。子供にも大人にも魔物好きにも、誰にも受けないと思うぞ。